2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「阿漕」と絶望、または、ムンクの「叫び」

最近、書くことが能の関係に偏っているが、別に能ばかり見に行っているわけではなく、それ以外のものも見に行っているのだが、書こうとするとなぜか能の舞台のことになってしまう。これは、恐らくバイオリズムのようなもので、たまたま能を見ると反応する何…

仮面と光、または、とある能楽堂の午後の出来事

能評家の村上湛が今月の観世会の小冊子に掲載されている小文で少し触れているように、能楽堂が明治以降建物の中に取り込まれたことで達成した演技の精緻化には驚くべきものがある。本当にいい舞台にめぐり合えたときの、この瞬間が凍結されたまま永遠に続く…

原典と模倣の間にあるもの、または、日本のオリジナリティについて

NHKのクラシック番組の「らららクラシック」を見ていたら、武満徹の合唱曲が取上げられていて、ゲストで来ていた“あまちゃん”の大友良英さんが、武満徹の音楽はクラシックやジャズや日本の古典楽曲や流行歌などあらゆるものが武満徹という人間のなかで混…